ホンムネくんニュース(古民家 七代)

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ソトからウチを見る。軽井沢紀行〜前編〜

最近、ますます、風通しの良くなっている(すきまだらけ)てるです。

A・レーモンドの「夏の家」。普段はL・ペイネの美術館として公開されているが、今回は、そちらの展示が移動され、雨戸などが開放された空間を体験できる「自然への開放と閉鎖」がテーマの特別公開。以前から情報はキャッチしていて、ダイちゃんがレーモンドやW・ヴォーリズの建築に興味があると言っていたのを思い出して、ダイちゃん、エイコさん、ヤスエさんと一緒に見に行くことに。

待ち合わせでちょっとしたハップニングもあり。いいね~。行き当たりバッチリ!皆で呼吸を整えて出発。車中では、手作りミソパンやケーキやナシを食べながら遠足気分。エイコさんがメモったホンムネくんブログのタイトルを読みあげ、今年一年のホンムネくんを振り返る。あ~あれね~。そうそう、やったよね~。ほんとにたくさんの楽しいことをみんながやってきた。みんなでやってきた。途中、中山道の望月宿を通過しながら、不思議な空も見ながら、追分けあたりへ到着。

ここで、一つ目のお目当て、「風たちぬ」で有名な堀辰雄文学記念館へふらり。堀辰雄が過ごした別荘や書庫が残る。
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とても居心地の良い必要充分な和室。庭に面した開放的な広縁。堀辰雄デザインの椅子。かわいらしい照明器具。
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4畳半の書庫。共通しているのはヒューマンスケール。これくらいの空間に小さな厨房がついたアトリエを造りたいな~。ここには雨樋は無く、浅間石を敷き詰めた雨落ちになっている。浅間山の風土に根ざした知恵をかいま見る。
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長時間の車中で疲れ気味のみんなの心をわしづかみ。

元気が出てきたところで次のお目当て「千住博美術館」へ。危うく通り過ぎるほど、この美術館はうまく隠れている。現代日本画家・千住さんの作品を展示するために、現代建築家・西沢さんが設計された美術館。過去と現代の建築を対比して見たかったことと、ダイちゃんの辛口な感想も聞きたかった。
アプローチと周辺の樹々は建築を見え隠れさせるかのようにデザインされている。建築の外観は、ガラスの壁の上に軽い屋根が乗り、大きな布がフワッと自然に落ちたかのような雰囲気。屋根の軒の出が、それをより強調しているように思える。
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中に入ってみると、床、壁、天井がそれぞれゆったりとカーブし、ところどころにガラスのシリンダーが穿たれ、明るい光が射している。

日本画に限らず、絵画は紫外線による劣化を嫌うため、いかに日光を遮り、照度をコントロールするかがこれまでの美術館や展示方法のあり方であったが、それとは全く異なる。日光が直接あたっている作品すらある。係員に聞いていみると、紫外線100%カットのフィルムをガラスに貼ってあることと、日光の直射で劣化しても画家自らが修復すればよいという了解があって実現したとのこと。

美術鑑賞というコトや美術館というモノの先端というか辺境というか、せめぎあいが伝わってくる。それを最も感じさせたのが外周のガラス曲面に貼られた布の網目の密度。ダイレクトに自然の樹々を見せるのではなく、霞がかったような自然とも人工ともつかない効果を生んでいる。実際、屋内からは屋外が透けて見えるが、屋外から屋内はほとんど見通せない。
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美術館であり、外から作品が見えてしまっては困るという事情もあるなか、どこまで外に開くか、光と視線をどこまで遮るか、ギリギリのせめぎあいを感じた。建築を含む現代芸術は、双方向コミュニケーションの手段であり結果であることを改めて実感。傍らに建つミュージアムショップは、建築のための建築というか建築と建築のコミュニケーションは感じられたが、対ヒト的には一方通行の感が否めなかった。
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短時間の滞在ではあったが、良い刺激をいただいたところでお昼近くになり、どこかで昼食をとろうかと向かう車中、ダイちゃんの感想は、

建築という専門分野から見れば評価されるかもしれないが、そうでなければ寄り付きにくい感じ。

確かに、医療のための医学、建築のための建築学など、どこかヒトが抜けてしまっている世の中。ヒトが造る人工物はヒトとヒト、ヒトとシゼンをつなぐヒダというかヨハクが欲しい。

いろいろ語っているうちにヤスエさんが「ごはんや」を発見。なんとなくヒトをひきつける感じ。
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ここで昼食をすませ、目的地、レーモンドの「夏の家」へ。
かわいらしい鴨や雁が出迎えてくれる。
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橋の向こうが「夏の家」。
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ここへは数回おとずれているが、今回は「夏の家」の特集ということで、雨戸もあけられ、外からも開放感が伝わってくる。窓上に庇はあるが、屋根の軒の出が少ないため、板張りの外壁に傷みが見られる。
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A・レーモンドは日本と欧米の近代建築の橋渡し的な役割を果たした建築家である。そもそもこの「夏の家」はフランスの建築家L・コルビジュエが石造で計画したエラズリス邸をレーモンドが木造で実現したと言われるほど酷似している。

石造ならまだしも、雨の多い日本で、そのまま木造で実現してしまったところに、外壁の傷みという無理が生じている。軒の出をもっと深くしても何ら支障は無かったはずなのに。欧米型の近代デザインと日本の風土の齟齬が生じている。

堀辰雄の住まいの方がやはり日本的であった。欧米と日本のどちらをベースにしているかが大きく作用しているのかもしれない。

中へ入ってみると、この開放感はホンムネくんのそれと通じている。木の丸太を使っているが、柱、梁、母屋、垂木という日本の構法が採用され、素朴というか粗野というか、親しみを覚える空間。
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2階へ続くスロープは勾配がきつく感じられたが、おなじ位置エネルギーを消費するのに、単なる階段よりは吹き抜けに面したスロープの方が空間を立体的に体験できる面白さがある。
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各個室のスケール感も程よいと思って計ってみると、尺モジュールが採用されている。昔の平面図を見てみると、現在、板張りになっている床が畳敷きになっていたことが見て取れ、いわゆる8畳間である。どうりで違和感が無い。譲ってくれるなら住んでみたいね〜。みんな同感。つづく。。。。

ながなが、すみません。

てるでした。
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by honmunekun | 2011-12-01 20:38 | ホンムネくんに思う